健康福祉委員会 行政視察2日目「北九州市」
健康福祉員会行政視察2日目は北九州市「子ども食堂」について
◎平成27年に市長の思いから「子供ども食堂」の取組を開始。
最初は、地域の意見として以下のようなものが殆どで、開設地域がみつからなかった。
・子どものしつけは孤食も子供の貧困も親の資質の問題。子どもに罪はないが、子供食堂はダメな親の手助けになるので賛同できない。
・自分の地域には、貧困世帯なんてない。
・子ども食堂をされると地域に貧困世帯が多いと思われる。
そこで、貧困や虐待、食の習慣などは、子々孫々にまで、連鎖しやすいといわれています。すこしでも後世にこのようなことが連鎖しないようにするため、親の世代での改善が難しい場合は、子どもの世代に正しい人間関係や食生活のありかたを知ってもらいう機会をつくることがの重要性、子ども食堂は貧困対策ではないことを説明し、モデル事業として市内2カ所で開設することとなる。
モデル事業の意見としては以下のの通り
「保護者」
・子どもが自ら宿題をするようになった。
・子どもが嫌いなものを食べるようになった
・家でも作りたいので、レシピ、献立を教えてほしい。
「こども」
・大学生のお兄さんやお姉さんが話をしてくれるので楽しい。
・勉強したり、本を読んだりできて楽しい
・お誕生日会やクリスマス会、おやつ創りがしたい。調理実習をしたい。など
モデル事業実施で見えてきたものとして、H28年12月では、子供達の状況として、センター内を裸足ではしりまわる。怒られても反省をしない。周囲の人に攻撃的な言葉を浴びせる。食事中にうろうろするといった子どもも多数。
しかし、平成30年3月には、そのような子どもだった子が、下級生のお世話をするようになったり、子どもたちのルール遵守の声掛けをするようになってきたり、自らコミュニケーションをとるようになったりと変化がみられた。現在では企業や、地域団体から要望も増え、市内14カ所にまで増えた。
◎子ども食堂ネットワーク北九州について
平成29年8月に行政主導で、持続可能性な事業となるよう、民間を主体とした子ども食堂の活動や取り組みを広げていくため、関心のある個人・団体が横のつながりを持ちながらともに課題を克服し、取り組める環境を整備する目的で創設。
主な取組としては、情報交換・意見交換会の開催(年3回程度)・子ども食堂に関する研修の実施(年3回程度)・行政団体等との対応(教育委員会・保健福祉局・市民文化スポーツ局)・ボランティアや寄付関係(北九大・ボランティアセンター)
こういった取組で研修などをつうじ、スタッフなどのスキルアップと子ども食堂の取組への理解を深められること、教育委員会からは、学校ではみえない姿をみることができ、学校教育の視点からも有意義などの成果がでている。また、ボランティアについても均等振り分けができたり、広報により地域の農家、企業、個人などから様々な寄付を受けることができる。
◎運営の課題
・来てほしい家庭の子どもや親に来てもらえない
・運営費の確保
・運営スタッフの負担が大きいなど、100以上の課題があがってきているがひとつひとつ課題解決にむけ、取り組みをおこなっている。
◎その他として開設にあたっては、子ども食堂コーディネーターを置き、開設までの実施場所の確保、準備や助成金などの情報を提供する、また開設後の運営をサポートしたりと様々な取り組みをおこなっている。
◎今回の視察を受け、事業については、単に貧困対策をあげるのではなく、虐待や貧困などの連鎖をとめるという視点をもち、事業開始後も子どもたちの行動や成長についてデータの集約、蓄積による課題への対応が早くなること。地域や企業等との関わり、他の行政機関やボランティアとの連携など横の繋がりが広がる。子ども食堂が高齢者の活動の場としての役割がもてたり、それらによって得るメリットは大きいものがある。そして何よりそのネットワークを活かして課題のある環境におかれている子どもが安心して成長できる環境を整備することが重要であると感じた。