会派視察2日目「神奈川県相模原市:公民館の使用料の導入について」
内容は「市立公民館の使用料の導入について」
この手の話になると賛否が分かれるのは当然ですが、今回の視察において、受益者負担の在り方については、やはり私の考えとして、自治会やPTAなど地域の団体は基本無料とし、他の民間団体への貸し出しについては有料化を視野に検討すべきでないかと思いました。
たとえ使用料が安価でも無料が有料になれば反発が起こります。どちらにしても議論を重ねて多くの理解を得る必要があるのですが、今後の維持費(運営や修繕など)を考えると現在のまま全て無料というのでは、このまま持続するのは困難ではないでしょうか。
以下、視察報告書です。
《自由民主党絆の会 会派視察報告》
日時:平成30年7月20日
場所:神奈川県相模原市
担当:教育委員会生涯学習部 生涯学習課
記録:泉井智弘
【詳細は別紙資料参照】
1、相模原市立公民館の使用料導入について
・有料化の概要については平成24年12月に「受益者負担の在り方の基本方針」を策定し、市が使用料等の基準を定めた。これは市が提供するサービスに係る費用の全てを税金で負担するのではなく、サービスを利用する方にもその性質に応じて負担をいただくことで、サービスを利用する方、しない方、双方に納得をいただくように行っている。
また、基本方針においては法令の規定等により使用料を求めることができないことが明らかであるもの以外は、使用料を求めていくこととしている。そのことからも公民館の貸室利用についても、使用料導入に向けて、検討を進めるものとした。
・市民への対応としては、全27の公民館運営協議会と平成28年9月から12月の間で意見交換を行い、その意見をもとに検討した案を平成29年6月から7月の間で同協議会に対して説明をした。意見交換と説明は計54回実施。
また市民の意見としては、意見交換を踏まえ、使用料を低廉に抑えたことに対する評価が、あった一方、無料を継続してもらいたいという声、利用時間区分の細分化の希望や、減免団体の基準の明確化についての提言、無断キャンセルなど不適切な利用に対する対処などについてあったが、総評として持続可能な公民館運営を図る上で、その費用について一部負担をいただきたいという提案については、理解をいただいた。
その他として、使用料導入について、個別団体や個人から要望書や署名、市議会への陳情(別紙資料の通り)があった。
・導入後については、上記のとおり、意見交換と説明を経て、また無料の継続を求める団体や個人からの要望等に対しては公民館を重要な地域の拠点であり、学びの場として大事に考える市民の声として受け止めている。さらに議決後も導入までの準備期間において、公民館を通じた利用者への説明や丁寧な周知を心がけ、準備を進めてきたことからも導入後の混乱は特になく、安定した制度導入を行うことができたと考えている。
・有料化による見込み収入については免除分を除き、約7000万円を見込んでいる。
2、質疑応答「抜粋」
Q稼働率については
A 平均で60%ほど。高いところでは80%ほどの稼働率がある。駅に近いところほど稼働率は高い傾向がある。
Q要望等の内容は
A7件(内2件は、署名合計3万817筆添付)、反対団体等による要望の一方、公民館長で構成された会からの導入に向けて建設的な要望もあった。陳情15件についても反対の要望を提出してきた団体が殆ど、一部個人もあったが、よく確認すると反対団体の構成員だった。
Q関連条例等議案に反対した会派は
A共産党、颯爽の会の計10人。その他35人は賛成
Q有料化になると利用率が下がるといったアンケートがあったようだが実態は
A導入直後ということもあり具体での判断は難しいが、話によると変わらないというところもあるが、微減というところもある。
4、まとめ
まとめとして、本市においても受益と負担のバランス、公民館の持続可能な運営をおこなうためにも、使用料の導入に関して市民に一定の理解を得る必要性を感じた。しかし、今回の視察の通り、導入にあたっては、市民や各団体等について、意見交換を含め、丁寧な説明が不可欠であり、意見を踏まえた上で使用料等を定めるなどして、利用者理解を得る必要がある。