会派視察1日目「東京都府中市:新庁舎建設について」
内容は「新庁舎建替えについて」
府中市役所はIS値が低いということで平成21年に建て替えの是非について議論を開始し、平成39年に新庁舎建替え工事が決定しました。
吹田市に置き換えると、低棟層はすでに50年以上経過。20年後の建替え話は出ているものの床の傾きなど課題は山積しています。
市民説明会や意見交換会、専門家による検討、議会説明、アンケートなど丁寧に進めるには、そろそろ本腰を入れて議論を開始する必要性を感じました!
以下、視察報告書です。
《自由民主党絆の会 会派視察報告》
日時:平成30年7月19日
場所:東京都府中市役所
担当:政策総務部 政策課 庁舎建設担当
記録:泉井智弘
◎新庁舎建替えについて【詳細は別紙資料参照】
1、府中市新庁舎建設に関する経緯について
・平成21年度に耐震診断を実施
・平成22年度に市議会において市庁舎対策特別委員会および検討協議会を設置
・平成23年度に建替えの必要性があり、市議会においては市庁舎建設特別委員会に名称変更。府中市庁舎建設基本構想を策定する。
・平成24年度府中市庁舎整備比較検討結果を示す
A案(現敷地建替え)B案(現敷地を拡張建設)に対してそれぞれ建替え、改修などを組み合わせ、10パターンで検証を行い、詳細な比較検討の結果、最も高評価の「現敷地を拡張し、全ての庁舎を建て替える」整備パターンを基本的な指針とする
・平成25年度に建設基本計画職員検討会(若手職員等35名)を設置(8回開催)
また、建設基本計画市民検討協議会(公募市民17名、庁舎近隣自治会8名)を設置(7回開催)また、専門委員との検討(3回開催)、市議会へのアンケート調査、障害者団体など関係団体へのアンケート調査を実施した
・平成26年度に府中市庁舎建設基本計画(案)を作成し、パブコメ実施、広報紙の発行、市民説明会を実施し、当基本計画を策定。その後広報紙、市民説明会を実施
・平成27年度には、庁舎建設設計者選定委員会を設置し、公募型プロポーザル方式で設計者を募集。第3回委員会にて設計者を選定。設計者は、大手企業だけに偏らないよう広く募集を募った。その後、基本計画に着手、広報紙の発行を行い、シンポジウムの開催など市民周知する。
・平成28年度は敷地精微に着手、市民モニタリングを実施、基本設計(案)の作成。
福祉まつりや市民協働まつりに職員がブースを出展、市役所談話室にパネル展示など行い市民に基本設計(案)の概要周知。その後、基本設計が完成、広報紙の発行、市民説明会など実施した。
・平成29年度、市議会特別委員会に実施設計の中間報告、新庁舎建設実施設計が完了
・平成30年度、全体工程を見直し、市議会特別委員会で報告
2、中心市街地の活性化について
・一般社団法人まちづくり府中を立ち上げ、中心市街地の活性化を図っていく
3、質疑応答「抜粋」
Q説明会でコスト面など反対意見は出たのか?
A第一回ではほとんどが反対意見だったが、説明会に来ていない市民へのハガキアンケートでは90%以上が賛成だった。
Q説明会の開催回数は適切だったか?
A適切だった。これ以上しても同じ方しか来られない(約20人)ので、来られない方に着目し、ハガキアンケートなどに力を入れた。
Q財源の内訳は
A現在計206億円 (解体と建設費は約172億円、移転費と設計費約8億、土地買収26億円)内訳は基金100億円、それ以外は起債106憶円
Q10パターンから選ばれた理由
A評価項目から機能性や快適性、周辺環境への影響、防災面などから高評価になったもの
一番は快適性を重視。完全バリアフリー、重度障害者用トイレの整備など。またコスト面でも優れていたこと。
Q市内全域が中心地と言われても良い中、このような活性化計画を作成した経緯は
A商店の減少比率など様々な検討を行い国交省に交渉し、交付金を受けた。
Q市議会フロアの対応は
A特別委員会とは別に市議会で20人(全会派の構成)の組織をつくり、2年8回行い、意見を聞きながら進めた。また、市民にも意見を聞いたが、最終的には議員の意見を重視。
建物を分けなかった理由としてはコスト面のこともあったが、セキュリティも厳しくするなどで、対応している。ICカード管理での出入り口など
Qそもそも庁舎建替えの話が出た経緯は
A先ずは学校からということで、以前から話があり、学校の耐震調査が終了し、庁舎の話になった。これは当時の市長や市議会もそのような雰囲気があった。
もちろん市長が変わっていることからも、選挙時には公約の一つが焦点になったと思う。
4、まとめ
庁舎建て替えにもやはり、市長の政治判断が重要である。さらに、市民説明会での意見もあるが、毎回約20人、殆どが同じ方、反対意見のなか、来られない多くの意見を収集するため、ハガキでの市民アンケートを実施するなど多数の意見収集について参考となった。
また、本市においても低層棟はすでに50年以上経過し、継ぎ足しを繰り返し増設している庁舎から様々な課題がある中で、建て替えについて調査や市民説明、意見交換、アンケート、市議会や専門家との検討など丁寧に進めるには、すぐにでも議論を開始する必要性を感じた。